挑戦出来るということ。刑務所見学で感じたこと。

刑務所。社会から隔絶された場所。

そこでは、どのような人が、どんな風に暮らしているのだろうか。

 

先日、ネルソン・マンデラ南アフリカ共和国大統領の映画を見た。

彼は27年間も牢の中で暮らした後、大統領として国内の融和に努めていました。

 

刑務所で暮らすとはどういうことか、全く想像できなかったため

今回は千葉刑務所にやってまいりました。

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なんでも各刑務所1年に1回一般公開日を設けているとのことです。

 

 刑務所の職員の方、元千葉刑務所におられた方の話を聞いて、色々考えさせられました。

 まず、加害者としての側面からの話を伺うと、考え方を変える難しさを感じました。

最初の3年間は刑務所に慣れるので精いっぱい。5年たってから少し他のことを考える余裕が出てくる。15年たって初めて自分の犯した罪と向き合うプログラムを行わないと効果がないとのこと。自分の生き方を見直すのにかかる時間の長さに途方がくれます。

 

しかし、一方で平均30年以上の刑務所生活を終えた後の老後の不安定な生活も聞きました。刑務所では1年間で5万円しか稼げないとのことです。したがって、全額貯金をして30年過ごしても、貯金は150万円。それで最初の家や携帯電話、家具などを揃える必要があります。そのうえ刑務所の中では年金の保険料も払えないので、老後は年金ももらえません。

30歳で入所しても、裁判で罪状が確定し刑期を終える頃は65歳。働きたくても身体がついてこない現実があるそうです

 

千葉刑務所では、半数が無期懲役。彼等は出所後も死ぬまで仮釈放の状態です。 

千葉刑務所の職員さんはこう話します。

「社会ではもう失敗できない。

だから、この中で何度も、何度も、失敗してください。」

 

彼等は、自分の罪を自覚したのちは

写経や遺族の方への手紙を書くなど贖罪の意識で過ごすそうです。

失敗しても再び挑戦出来ること。

チャレンジしなおせる環境があること。

志を入れ替えた人が、再び社会に復帰できること。

  

そうした社会を実現していく必要を感じました。

 

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半数以上が無期懲役、最低でも10年刑務所で暮らす生活

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自由時間では、贖罪のためや資格勉強のために時間を割く人が多いそうです

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刑務所での食事。色彩の無さ。

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壁の上の柵など、ふとした瞬間に非日常を感じます

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壁の上の柵など、ふとした瞬間に非日常を感じます